しかし、その翌年72年には、ストレスから胃潰瘍をわずらってしまい、欠場している。
スチュワートは肉体的にも精神的にも限界が来ていたのだ。
73年に3回目の王座に輝いたスチュワートだったが、彼には最後のレースとなるはずのアメリカGP予選でチームメートのF.セベールが事故死するという災難が待っていた。
残念なことに、100戦目となるはずのレースを前にして、自らレーシングスーツを脱いだ。
スチュワートの時代には事故が多く、現役時代から安全性について積極的に発言していた(フルフェイスヘルメットの普及を訴えるなど)。
かつてレース界では「レーサーは命をかけて走るのが使命で、安全について語るのは臆病者の証拠」といった意識も存在したが、彼はそのような考え方に立ち向かった新時代のドライバーであった。
「私は1滴の血も流さずレースを引退できることを誇りに思う」という言葉を残し引退したが、事実スチュワートは指のちょっとした骨折しかレースでケガをしていない(前述の胃潰瘍による欠場を除いて)。
後継者と言われていたセベールの事故死で現役生活に幕が降りてしまったことは、あまりにも皮肉な運命といえた。
引退後もその姿勢は変わらず、カーボンモノコックの普及で安全性が向上した反面、危険を犯すドライバーが増えるといったモラル低下を懸念していた。
89年・90年の日本GPでのセナ、プロスト接触についてセナとの対談で「歴代チャンピオン達と比べて、あなたは事故が多すぎるのではないか」と非難したことは有名である。
A tribute to a triple WC. One of F1's true legends and saved countless lives due to his advocacy for safer racing.
Jackie Stewart Tribute
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